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京都エクスペリメンツの思い出
KYOTO EXPERIMENT 2016 spring ショーケース「Forecast」
あごうさとしプログラム
国枝かつらプログラム
というのが先週末にありまして、行ってきました。
それぞれのキュレーターが3作品を選んでショーケース形式での公演でした。
1日に同じ芸術センターで行われてましたけども、場所も違って入場もチケットも別。
あごうさとしプログラム にて上映された作品の一つ
「あごうさとし『—純粋言語を巡る物語—バベルの塔 Ⅱ』」の音楽制作でお手伝いさせていただいていたので、午後休みをとり、全部見てきました。
  
  全体的には合計6個の作品をみたんですが、、最後の方疲れるとかいう普通の事も含めてフェス感があって、いいお天気やったし、大変楽しめたし、いろんな人に会ったし、楽しかった。
 それはともかく
  まず、「あごうさとし『—純粋言語を巡る物語—バベルの塔 Ⅱ』」については、アトリエ劇研で上映されて、東京の劇場でも上映され、今回の三度目の上映となりました。のべ、何百人もの人が見ることになる、かなり大掛かりな舞台に、末席ながら関われて大変面白い思いをさせていただいたとともに、見に来ていただいたお客さまにはあらためてお礼申し上げます。
  実際、製作過程を少し知っていて、しかも自分の家で作った曲が大音量で鳴り響いている状態ってちょっとビビるので、作品の感想というか、観て「どうだったか」というのはちょっと 分からない。
 が、やりきった感があるのと、反省点が多々あるんで、今もう一回やらしてくれたら、もうちょっとよくできるでという自信がありますよ!
  他に
同じプログラムとして上映された二つを簡単にご紹介。
ちないにバベルの塔は無人劇(生身の出演者なし)だったのに、他はがっつりダンサーの方が出てきてダンスをするというもの。

岩渕貞太×八木良太『RECORDS』
  美術作家の八木さんの作らはった装置を取り付けてのダンス。ダンスなんだけども、舞台袖に八木さんがいて、まるで新しい人体改造デバイズのプロモーションの様。
その未来っぽさに比較されフランケンっぽさというか構図のレトロ感があり(ダンサーの方もしゅっとした男前やったけど)ました。

辻本佳『Field Pray#2 擬態と遡行』  
は、結構広めのブラックボックスだった劇場の床にちょっとだけ流木?のオブジェが置いてあり、すばらしくムキムキの男性のダンサーの方がターザンぽい姿で髪の毛もターザンっぽい感じ踊ります。めっちゃ上の方の席から見ていたからほんまに閉じ込められている人みたいでした。
  めっちゃ動かはるので逆に動かない流木がかっこよくみえたり、、不思議な舞台でした。

三つのプログラムが徐々に肉体性を帯びていくという企画だったと思います。イエスナイスセレクト。

 さて、 その日は先に  「国枝かつらプログラム」といいまして、国枝かつらさんというキュレーターの方がセレクトしたパフォーマンスアートを再演する企画でした。
  ほとんどの作品も作者も知らなかったのですが、現役美術館のキュレーターの方のセレクトだというのと、新作じゃなく「再演」という事(まあ、多分面白いと思ったからもう一回やるんだろうという単純な信用)、あと、「梅田哲也」さんの作品も含まれていたので。
  梅田さんは他の作品もいくつか見たことがあって自分の中で面白いだろうという信用度があるし、音楽よりの人の印象だったからパフォーマンスだった!気になるーというミーハー心で見に行きました。
  一個その中の作品で妙に引っかかっていたものがあって、次の日の昼ぐらいになって「あれはこうゆうことか?!?!?!?」と気が付いて腰が抜けたので、誰かと事思いを共有したい。(ネタバレ注意!!)
上演された順序は
小金沢健人『CLOSED ANIMA』(2001年)
田村友一郎『D.H.L』(2013年)
梅田哲也『COMPOSITE』(2014年)
いずれも、美術館で初演されている?ぽいです。

小金沢健人『CLOSED ANIMA』(2001年)
赤い布の袋の中に、二人の男性が入っていて、中から台詞が聞こえる。
普通に喋っている口調で話がすすむけども、「ここはどこ」「わたしはだれ」などを誤魔化して、うまいこと興味は引くけど明確には答えない。
 その代わりに「こういうこというやつおるわー!」というような普通の笑い的に面白い演劇が繰り広げられる。
 でも、そのジェスチャーをしているのが、布の中の人なわけで講堂っぽいつくりの部屋と非日常感の境目が滲んでいくみたいで素敵。オープニングぽっくテンションも上がる作品。
  アフタートークで知りましたが、初演は海外で、日本での前回公演は日本語で、今回は特別に関西弁だったそう。

田村友一郎『D.H.L』(2013年)
暗転の中に普通の格好の男性がひとりうつ伏せで倒れている。周りに6人前後の人影。
前方にホワイトボードを持ってきて外国人男性が英語で何かを書いてその分を読む。
次に日本語訳「この死んでしまった男性を20分以内に心残りがないように弔ってあげてください。ただし絶対に無言」みたいな指示。
 ほんで、さあスタート!と外国人男性は去っていく。
 この集められた6名前後の方は事前に「このタイミングで出てきてください。あとは現場の指示に従ってください」と言われたらしい。
中に二人知っている人がいて、始まる前にすこし話をしたけども、「今から出る」ことも内緒にしていたみたいだった。
 で、大した事件は起こらず、20分たちました。
「弔う」ことはできたのかよくわからにまま、時間が来たら、死体役の男性が立ち上がりオペラの高音の声を出して去って行って終わる。
多分呼ばれた6人は「どうにかもっと弔いという曖昧な行為をうまいことできたかな?」と思い、客は「そんな面白くなるかどうかわからないのに、役者さんに適当に無茶振りするだけかよ!」となる。

梅田哲也『COMPOSITE』(2014年)
6人組の人が内向きに立ってサークルを作り、UFOを呼ぶ儀式みたいなことを始める。
おそらく複合リズムの集合体で掛け声と足音方などを叩く音で一定のリズムを繰り返しながら、そういうゲームのように円を回転させる。
 すこしすると、ステージ奥で小学生ぐらいの子供?が同じことを始めるが、お互いにずれている。
ちなみに全員思いっきり目をつぶっている。
 やがて、中央にメロディーをくちずさむ人みながら、ゆらゆらする人が出てくる。
全体の音は徐々に音楽的になっていき、テンションも上がって行っているように思える。
反面、思いっきり目をつぶっているので、二つのサークルとメロディーを担当する数名が入り乱れ始め、気持ちわるーくぐちゃぐちゃになっていく。おそらく一定の法則に従ってもっと作為的にぐちゃぐちゃになり最後は、人がぬけていって終わる。
言うが簡単、作るが大変!みたいな。
徐々に音楽が成立していく反面、見た目のマスゲーム感は崩壊していくという具合でした。


  さて、夜になって、みんな感想とかあげているんかなと思いツイッター検索とかしたら、
国枝さんプログラムについて
1個目、すげえ面白かったし不思議やった。
2個目は意味わからんかった。
3個目感動した。
みたいな感じが多かった。
まあ、そんなところかなぁと思って寝たんですが、妙に引っかかっていて、次の日仕事中にもぼーっと考えていたんですが、「え?!?!?」ってなったことがありました。

 それは、田村友一郎『D.H.L』について。
基本的に見に行った作品が、作者の責任感のない作品やなーと感じたら残念に思うタイプなんですが。
というか、「さあ、自由に見てください」とか「なにが起こるかはその場しだい」とかに投げっぱなしにされると「しらんがな!」と思う日本人っぽいタイプなんですが。

昨日の作品に秘められたすごい謎に気づいてしまったのです。
「なんでまず英語で言った?」
ということです。
  「役者がたまたま外国人だから」、とか「作品のタイトルが英語の文章の頭文字をとったものだから。」
などいろいろあるんですが、それぞれ、「じゃあなぜ司会役は外国人男性だったのか」「パンフレットに書いてある」という点でしっくりはきません。ちなみに観客に外国人はたくさんいました。

そして、重大な事実が一つ。
始めにステージ上に集められた役者の中に
「外国人はいなかった」
つまり、ホワイトボードのメッセージは決して「ステージ上の役者」に向けられた物ではなかったのです。

役者は「指示に従うよう」指示されています。
では観客は?

観客はなにも伝えられていないのに「その指示」だけがしめされる。

単純に演劇的な即興を狙う作品なら、「観客には指示を知らせない」もしくは「例えばダンサーに体を使って、もしくは、役者に声を使って」やってもらう方が全然、そういった方面で面白くなる可能性があるのに、それをことごとく潰している演出。

「なんか面白い事おこるかな?」「えー20分つまらなかった」と思っていた、あなた!そして私!
は果たして、「彼を弔う事」ができたのか!?
ステージ上の事とはいえ、「これは男性の遺体です」と言われているものをどんな目で見ていたか?
「弔おう」ともしなかったのではないか!



と、エキサイトしてししましたが、まるで、交通事故の現場を遠巻きに写メをとる観衆のように、テレビのテロとか災害のニュースを晩酌しながらみるように、私たちは、「目撃」しようとしてたのではないか。
と思って。
これ、とても面白い作品だったと思いません?
すごい推理小説読んだ後みたいに、「ぞーーーーっ」としたんやけど、どうですか?
同じ感想の人います?
ここまでワイワイ言って、作者に全然そんな意図はないですと言われたら、それはそれで面白いっす。

というような、週末を過ごしました。みなさんいかがお過ごしですか?私は元気です。



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by watarukanaya | 2016-03-25 21:08