舞台公演裏側初体験と収支報告

2015.09.25-27にアトリエ劇研で行われた
はまもとゆか×マツキモエ新作公演[OKay?]
の音楽制作をさえていただきました。

◯舞台裏初体験◯
具体的には音源の制作と音響仕込みだけ。当日のオペレート等は音響の専門スタッフに交代しました。

「CDに焼いといた音を再生するだけでしょ?」と思われがちですが、これがまあ、ほんと、知らぬが仏な結構大変な作業がおこなわれていまして、普通の倍ぐらいの高さの天上にあるスピーカーの角度を変えるのに信じられない高さの脚立に登るとか、一生ヤリたくない作業をしてくださるスタッフの方がいて、ひとつの公演は成り立っているんです。知りませんでした。

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 ちなみに今回は劇場備え付けのスピーカーの他に客席スピーカーペア、その他にリアスピーカーペア、サブウーファーを持込。メインミキサーですでにアウトが足りないのでよくわからない6.1chシステムになりました。ドルビーアトモスの時代にドルビープロロジックというオーパーツ的なシステムの構築をしました。
 通常のメインだけよりはましだったと思いますが、客席を包むような優しいサウンドシステムにしたかったのですが、思っている以上に広い空間に均一大きい音量で流すのは難しかった。家でならしてみても、実際の広い場所での音量感って全然つかめないのです。
 あと、客席にスピーカーを設置ということで、気を使って小さいのにしたのですが、もうちょっとでっかくても置けたなーという印象。ちょっと悔しい思いをしました。

◯舞台の裏側ってこんななってたのか◯
 いっつも気にしてなかったんですが、照明とかも一回の公演の為に全部設置するんです。信じられない作業量というか、効率の悪さに思えますが、どこにどの照明つかうとか基本的な配置とかはないので、結局、みんな一回全部片付けて倉庫にしまうというのを繰り返したほうがいいらしいです。
 また、チカチカして楽しそうと思っていましたが、電球切れたりなんやかんやで大変だそうです。

 で、仕込みの日とかはちゃんと専門用語がわかり、脚立に登れるスタッフが数名で行うのですが、増員といって、数名のスタッフが来ていました。ので、その日は全部で10人以上作業をしていたと思います。
時間もないし忙しいので、暇な私がごはん作り係りに立候補。
 とりあえずパッと食えるご飯を用意するということで、炊き出し的な事が行われるんですが、通常、舞台予算で行うんですが、ちょっといいものを食べて欲しいと張り切りました。

◯収支報告◯
で、
その分の金額をサントラCDの売上と、過去に無料配布していたCDを100円で販売し、ほぼ寄付のような形で販売させていただきました。
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まず、サントラですが、今回の公演の為に音楽を三曲。SE的な物を数曲つくりました。
ツイッターでは「かっこいいダンス公演を見て、家に帰って真似したくなったときにあると便利な音源」
と言っていましたが。
  3日間で10枚ほどお買い上げ頂きました。ちょうど足りました。買ってくれた人ありがとう。

で、無料配布のCDもたくさん買っていただき、増員に来てくれたスタッフの人たちのご飯やお茶代として活用させていただきました。基本的に大学生で舞台芸術をこころざしている人たちです。みんなが公演を見られるのもこういった若い人立ちがいてこそだと思うので、一食といえども、みんなで支援していただくのもいいかなという思いつきでした。
サントラ500円が10枚
無料音源が100円募金で11枚
合計6100円
 CDやジャケット代金の原価は私の趣味代として自腹っておりますので、収支的にはホントにちょうど食材お買い物代になりました。
 応援として買っていただいた方、ありがとうございました。

◯音楽の値段について◯
 今回、サントラは500円、無料音源は募金100円で販売さえていただきました。
いままでやっていたライブとかだと、演奏する人ーー音楽ーーお客さん
という構図でお客が入場料などを払うこと、演奏する側がギャラを受け取る事にたいして真っ当なものだと思っていました。
 とくにバンドはお金がかかるから、ちょっと支援してねぐらいの気持ちだったんです。
 今回、例えば音楽制作に使ったお金は実質0円です。スピーカーなどは買いましたが、どちらかというと劇場で流す方の機材。作るのは家にあった楽器とパソコン。
 バンドだったら、練習とかスタジオ代とかそういうのあるからね!とおもうんですが、どうしてもお金が発生するとは思えなかった。もちろん、ほかの人の作品は宅録であってもそんなこと考えずに、普通にCDかったりするんですが。

 とくに、僕の場合、完全に普通の仕事をしているわけで、「それはもらってもいいんじゃない」といわれても、「和菓子屋の作った音楽」って言い換えると、「音楽家が作った手作りクッキー」みたいなもんじゃないですか。だから、お菓子はもちろん正当だと思える金額はいただきますが、音楽はどうもね、バザー的な価格以上というかそれで生活をしているような人と同じ値段をつけることにちょっと違和感があります。
 また、僕がバンドとか始めた頃はCDRが登場したころで、でも音源を作って配る的な発想をやっていたから、気に入ってくれるんやったらあげるし聞いてよ!みたいな気分でもあります。

  あと、昨今アップルミュージック等の登場になかなか衝撃を受けたりしていました。
「原価の高いフレンチは値段が高くて、安い牛丼は値段が安い」というような普通の感覚が通用しない「定額制」ってやばいよねという話を聞いて。

 かといってグッズ的に売るほど人気の有るアーティストなわけではないので、
「登山に行って綺麗な葉っぱを持って帰って押し花にするぐらいの気持ち」
がいいんじゃなかろうかと、ついでに葉っぱの押し花も同封させていただきました。
 (ちなみに登山にいくと、その日のベストオブかっこいい形の葉っぱを持って帰るというのを小学校ぐらいの時に習ったような気がして、なんとなく今でも習慣でしてしまいます。)
 まあ、落ち葉みたいなもんやとおもって500円よろしく!利上げは舞台芸術を志す若者のごはん代になります!みたいな気分でした。
 ただ、ジャケットをね、良い紙かってきて印刷して染めたんですけど、本当にもう手間かかりすぎてやばかった。
 写真では過去音源と同じように見えますが、一枚一枚染め模様が違うし、なんなら、盤面も大きめの絵の場所を変えて印刷しているし、葉っぱももちろん形が違うというこだわりよう!さっきの言葉を覆すようですが、これまたするならお金取ってもよいわと思える作業量です。


◯音楽紹介◯
 もう、ネタバレしてもよいので、どんな事を考えて作ってどんな曲になったのか言いたいので言います。
 
 コンテンポラリーダンスというと、なんとなく無音のイメージが僕はあるんですが、やっぱり1時間ぐらいの公演になると、何かしら音楽がかかっています。
 で、だいたい公演でかかっている音楽は具体性やイメージを欠いたものが多くて、ちょっとしたノイズとかピアノとか。
 あとは、舞台のテーマがあってテーマに沿った音楽がかかる場合が多いように思います。
そりゃあそうなんだけども、劇場の音楽はもうすこしお客さんのために鳴っていてもいいんちゃうか?とおもって。
 できるだけ聞く人にイメージや具体性が伝わり、ストーリーや必然性があったり、「ぷぷっ」となるようなおもろいのがいいなと。ダンス以外のところでも一本筋の通った時間が流れているのはおもろいよねと思っていました。
 (これについては、平面作品や見ている間に変化のない時間を感じられない作品を見る時に音楽を聞いたらどうなるだろうと実験した事もありまして。普通に美術館の展覧会にいって解説のヘッドホンをしているふりして全然違う曲をかけて一枚の絵をみてみたりするとやっぱり好きな絵に好きな曲はいい感じにプラス作用を生んでいました。)

 いままでは、演出が先にあって作ったことはあったんですが、今回はそんなことを思って結構先走って作りました。
 同じ物を見ていても、小田和正がかかったら泣きそうになるあの感じにならんかなと思った次第でした。
通常、朝に聞く音楽とかは自分で選ぶものですが、テレビやラジオをつけたら流れてきた曲でその日一日の気分を左右されるような。
 
 結果、制作段階から納得いく形に落ち着くまで時間がかかりました。。
 今回のダンス公演に結果的に、この発想での制作過程が、プラスに働いたかどうかわからないんですが、水面下でこんなことが行われていたとマニアックな観点で、とらえていただければ。
 
◯さて、それぞれの曲解説も軽く。◯

 一曲目は1982年のNHKのニュース番組をモチーフに、内容は富士山頂付近での積雪を観測したというもの。お堅いニュース番組で始まり、中盤は京都にOUTATBEROというバンドがありまして、かっこいいクールなバンドなんですがそのバンドの(多分セカンドアルバム)の雰囲気をパクリ、電子っぽいセリフで思いっきり馬鹿な事(馬鹿が言いそうなこと)を言い放ち、後半はクラシカルなクラリネットの三重奏が始まりバキバキに割れたドラムが入ってくるという曲。
 言葉にするとあほらしいですね。
 
 二曲目は「ダンスミュージック=ダンスするためのミュージック」じゃないダンスの為に作られた曲をいろいろ探している中で、やっぱりボレロ、かっこよすぎるし名曲すぎるしやばすぎるし、同じメロディーをいろんな楽器が担当していくとかいいよねーというわけで、全体的に逆のボレロを作ろうと思って作った曲。
 古典文学を現代語訳したような、読みやすさとやさしさと違和感を出したかった。
 ので、基本のボレロ的リズムは逆にメロディが担当し、メロディ的な要素は安定感のある簡単なものへ変換。で、思いっきり電子音の機械的なリズムがビミューに走っていくように繰り返し、最後の方は好き勝手に壮大に繰り返すという楽しい曲。実際ダンスがのって一番かっこよすぎて震えて鳥肌たったのはこれでした。
 「生演奏でやったら盛り上がるやろなー」と思ったけど、ドラム、ベース、キーボード、ギター5人、木琴2人、管楽器3人は最小でもいるという現実味のなさ。

 三曲目は前半がマイスパレード的な宅録系の繰り返しのなかでパズル系のギターが組み合わさっていてエモい感じになると思いきや、本当にバカバカしいリズムが無理やり入ってきてセリフも入り、音階の美しさを台無しにしたものの、やっぱりエモいやんと戻る曲。

あと、本編ではボツになったのものなども居た堪れないので、サントラには収録しています。お買い上げいただいた10名様は聞いていただけたら幸いです。なんとなく、私的な「オチ」は実はこういった感じでしたという内容。

◯まとめ◯
 自分が家で作った音、実家なので、あんまりうるさい音を鳴らすとお父さんに怒られる状況のなか、ひっそりと打ち込まれ、ボリュームを絞りに絞ったフェンダーベースマンアンプでならされ録音された音が劇場で大音量になって流れる様は頭でわかってはいたものの、不思議なものでした。
 本当は2ミックス状態からはミックスマスタリングをプロに頼もうと思っていたんですが、本番ぎりぎりでも変更があるかも的な雰囲気だったのでとりあえずやれることだけは勉強しとけてきな感じで、ミックス作業をむりやり勉強しましたよ!MS処理ってなんだよ!4バンドコンプめっちゃ便利やな!みたいな。
 
パソコンの進化と無料プラグインは本当にすごい!

最終的に2月で200時間ぐらい制作とか買い物(ハードオフ巡りの日とかね)に使いました。なかなか、やりがいのある山場でした。

あしたからは普通にイオンとか行く生活を一旦取り戻そうと思います。

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by watarukanaya | 2015-09-29 18:09
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